COMMENT
大変興味深く拝見しました。初めての選挙活動で手探りの日々の緊張感!大海で海図無き航路の不安感!臨場感が伝わります。博士の物真似の巧さに驚き!!笑いました。奥様が聡明でお綺麗で嬉しかった。呉々も食事と運動を大切にして下さいませ。
片岡 鶴太郎
(俳優/画家)
考えたことありますか?。もし選挙に立候補したら、一体どうなるのか?。参議院選挙、しかも全国区だ!それを、やってみた人がいる。ドクター・水道橋だ。ありとあらゆる出来事の連続に驚いた。ラスト近く 自転車で走り回る姿は秀逸だ!!
久米 宏
(フリーアナウンサー)
参院選勝利で人生大逆転のハッピーエンドになるはずが……。闇に向かって自転車をこぐ博士の姿に『アラビアのロレンス』を見た!
町山 智浩
(映画評論家)
作中次々と登場する、政治の、いやさ選挙の「プロ」たちの物腰や佇まいに、いちいち強烈な違和感を覚えてしまう。なるほど実際こういう特殊なムラの長どもに、我々の暮らしは仕切られているわけか。そして、実は民主主義を空洞化させかねないこの断層をまさしく可視化するためにこそ、いかにも素人然とした博士たちはそのど真ん中に身を投じてみせたし、本作も作られたのだと思う。参政権とはもちろん、掛け値なしで万人に開かれたものでなくてはならないのだから……「Me,We」って、そういうことですよね?
宇多丸
(RHYMESTER)
選挙が熱湯風呂ならば、当選者は「あちちち」と叫んで飛び出したあとのリアクションをどうとれるか、なのだ。博士が主演の映画なのだから喜劇と呼んでも怒られない。と思いたい。
松尾 スズキ
(作家/演出家/俳優)
映画の中で博士のことを昔から知ってる人が「彼は壊し屋だ、過去に番組も途中で降板したり、だから心配だ」と言ってた、でも本人が最後壊れちゃった。こんな人、日本に沢山いるんだろうなと思った。しかし、彼を応援してくれた仲間は、彼を非難せず、「生きててくれただけでいい」と言った。博士が演説で「私はあなた、あなたは私です」と言ってた。米の値段で苦しんでる人たちがいるのに「米を買ったことがない」と言った政治家がいた。沖縄戦の被害を捏造した政治家がいた。彼らには痛みがわからない。博士はわかる人だ。なぜなら彼は自分の弱さを知ってるから。この映画の異様なところは、撮ってる監督と撮られてる博士が互いを自分の痛み止めにしてるように見えた。弱い人が自己責任という言葉で置き去りにされる時代、このドキュメンタリーの中に優しい世界を見た。
村本 大輔
(ウーマンラッシュアワー)
どんなニュース番組よりも、どんな選挙速報番組よりも本当の選挙の真実が記録されている映画だ!
この芸人が己の人生全てを芸として見せる魂、まだまだきっと先がある、我々は芸人水道橋博士の人生で笑かしてもらえる時がきっと続く!
この芸人はおもしろい!
カンニング竹山
(芸人)
「あなたは私、私はあなた」。水道橋博士が参院選出馬にあたり引用したこのモハメッド・アリの言葉は「政治家とはそもそも国民の代理店なんだ」と本来の政治家の原点を暴く警句ではないか。そして、背負ってしまった「鬱」という病を己の「業」として一人で折り合いをつける姿にこそたけしさん経由の増幅した談志イズムと見た。「鬱になるやつの方がまともなんだぞ」とかつての談志の慟哭が被る。一気見の疾走感ドキュメンタリーを刮目せよ!
立川 談慶
(落語家)
この映画に一票!!投票権はないけど、この映画に一票!
観る前から覚悟してました。何しろ、浅草キッドが「笑っていいとも!!」で運転免許のふざけた写真を見せて書類送検されたくらいなんで、博士が選挙を普通に出る訳がない!映画で納得!。日本の選挙の制約の中で芸人ならではの頑張りと忍耐力。初体験でありながらサポートをしてくれる心強い仲間と奥さん。遊説でハラハラするハプニングも面白い!。選挙期間がピークと思いきや本当のバトルは議員になってから。博士の場合は「野党」は自分自身だった。
密着型ならではのリアルな臨場感で選挙運動を覗かせてくれる貴重なドキュメンタリー。この映画は選挙のイメージを「ぶっ壊す!」
デーブ・スペクター
(放送プロデューサー)
とことんミジメだけど圧巻のドキュメント。
ヒリヒリさせられっぱなしでした。
もう怖いものはないね。
よく頑張ったもんだね。
激動でしたな。
清水 ミチコ
(タレント)
怒鳴られる、舐められる、嗤われる。
それでも水道橋博士は全てを受け止め続ける。
除ければいいのに。無視すればいいのに。
それって、器用なのか、不器用なのか。
っていうか、そもそも政治家って、器用じゃないといけないんだろうか?
あと、人間って、器用じゃないといけないんだろうか?
武田 砂鉄
(ライター)
「出会いに照れるな」が、水道橋博士の信条だ。選挙と出会い、鬱と出会い、また新たな仕事と出会う。なんという人生だ。「生き恥をさらして生きる」博士の姿に、しびれた。そしてラストがなんとも鮮やか。青柳監督、お見事です。
大島 新
(ドキュメンタリー監督)
現代における、選挙という民主主義の「肝」と、個人の精神状態という「心」の、文字通り「肝心」なテーマが交錯して、私たちに「生きること」や「社会との関わり」について、考えさせてくれる傑作。モハメド・アリの「Me, We(私はあなたたちだ。あなたたちは私だ)」の名言をスローガンにした水道橋博士の選挙活動は、すべてが決して人ごとではないことに気づかせてくれる。この窮状から目を背けることなく、刮目する勇気を。
松尾 貴史
(俳優)
これは意外にも青春映画なのかもしれない。
彼らの一夏の挑戦と挫折、そこからの復活、冒険の物語はやたら熱い。
大槻 ケンヂ
(ロックミュージシャン)
みんなに変わって芸能界をルポタージュし続けた水道橋博士が、今度は政界に!。博士が当選して国会で大暴れしている図を想像したら最高に興奮したけど...。あの暑い夏の選挙戦を真空パック、そして予想をはるかに上回る後半戦へ。最後はみんなで泣こう。
20代の頃、博士と間違えられることがよくあった。岡山出身で野球帽を被ったゲーム好きのよく喋るやつ、という共通点はあれど、歳も少し離れてるし、そんなに似てるかな?と自分的には思っていた。でもあれから30余年、いよいよ歳の差も関係なくなってきたし、好きなものの趣味趣向や、思想の偏り方まで、姿形だけじゃなく内面もどんどん似てきているような気がしていた。この映画に出てくる博士の演説を観て確信した。やっぱり、博士は僕で、僕は博士だったんだ。
Bose
(スチャダラパー)
しかしドキュメンタリーというのはやっぱり面白い!
被写体である水道橋博士も青柳拓監督も「多分こんな映画になるんじゃないか?」と思っていた“異色の候補者の選挙裏側密着ドキュメンタリー”を撮るつもりが“政治家に全く向いていない男がひょんなことから立候補して当選してしまう”という奇妙で残酷な運命に翻弄される男のドキュメンタリーが撮れてしまった。
政治家になる違和感の種は選挙戦の至る所に現れる。バーニラバニラバーニラや松井一郎元知事や麻生さんに捨て身で絡むところのイキイキとした姿に比べて街頭で「1票を」と呼びかける姿の違い。その違和感の種は選挙中に膨らみ続け国会に通う中で爆発する。当時は誰も予想できなかったことだが映画の観客はそれを知っている。この後の青柳監督の動きが特徴的だ。博士の元にカメラを持って押し掛けずに呼ばれるまでじっと何ヶ月も待っている。その撮り方が最後に、“映画を撮ってきた”ことが博士にそして青柳監督に「戻っていく場所」を提供しているというシーンは感動的である。
「配達と鬱」という第2弾が観たい!
土屋 敏男
(元電波少年プロデューサー/Gontents合同会社代表)
人生に選択肢はあるということを、みんな気づいているのに気づいてないフリをする。芸人をやりながら政治家をやることを目指し選挙に出る人生を「選択」した一人の男。この記録は、見ている我々を「選挙ハイ」にさせてくれる。時には、「選挙カー」というアトラクションに乗ってるような気持ちにもさせてくれる。そして当選という「結果」の代わりに、この人生ゲームは、とてつもない暗闇に突っ込んでいく・・・見ているみんなも一緒に。この映画は、画面にはほぼ映らない監督との青春映画でもあり、キッズリターン、その後でもある。こんな味の映画を味わえることは、そうない。
いや、面白かったよ。監督。そして、博士。まだまだ青春しましょう。
鈴木 おさむ
政治に一切の興味がない私が、もんげ~興味があるものを見るように食いついてしまいました。でも毎回、投票には行ってますよ。しかし博士って、素直すぎてひねくれたのか、ひねくれすぎて素直になったのか、どっちなんじゃろか。
岩井 志麻子
(作家)
「自分は不幸だ」と「自分は恵まれてる」ことの人生の嘆きに貴賎はない。その重みは時に死にたくなるほど苦しい。映画『選挙と鬱』は芸人と私人の葛藤を追いかけ、芸人の選挙戦と私人の生活と病、理想の自分と現実の自分がせめぎ合う水道橋博士と苦楽を分かつ同伴者の記録だ。生きる旅の途中で迷子になった彼の不器用で滑稽な旅姿は観ているあなた自身、オレ自身でもある!
新井 英樹
(漫画家)
水道橋博士の波瀾曲折な生き様は、絶対に真似したくはないけれど少しだけ羨ましくもある。"全身藝人"のメッセージをスクリーンから受け取りました。人生は祭りだ!!!
コトブキツカサ
(映画パーソナリティ)
私が投票した候補者が当選することは稀だ。その数少ない経験が、比例票に今回の主演の名を書いた2年前の参院選である。その前は誰だったけか……? さて、この映画、いかめしいタイトルを掲げた社会派映画のはずが、途中から痛快娯楽映画に変わり、三又又三がダメ押しする。そこがいい。選挙は本来楽しく愉快なものなのだ。スーダラホンダラなのだ……あっ、投票した候補が当選したのは95年、都知事選の青島幸男以来だった!
追記:三又又三がこんなに面白く、さらにはかっこよく見えたのは、もちろん、この映画が初めてだ(そして最後だろう)。映画を観て、同じくそう思ったあなたは私で、私はあなた、そしてミマタだ。
スージー鈴木
(音楽評論家)
水道橋博士の周りには何故か何かあるといつも人が集まって来る。博士がメールマガジン「メルマ旬報」を主宰していた時もその人柄がそうさせたのか、多種多様な執筆者が集まり日本を代表するサブカルチャーサイトとなった。
そして、今回博士は国政選挙に出馬する。様々な協力者が集まる。映画評論家の町山智浩氏、元マネージャー氏、足手纏いか…救世主か…あの芸人の三又又三ほかもおそらく手弁当で。もちろん博士のプロデューサー的存在である奥さんも巻き込まれる。こうして選挙対応の“チーム博士”が組成され町山氏推奨の青柳拓氏が監督を担当する事になる。
これは「密着ドキュメンタリー」と言うジャンルに属する映画だが、音楽家・佐村河内守の正体に迫る映画「FAKE」などの森達也監督や映画「精神」などの'観察映画'の想田和弘監督と異なり青柳監督には自己主張や創作者としての名声を求める強烈なエゴの様なモノは感じられない。ただ特別なのは間違いなく彼は取材対象である博士を愛してしまっており、”チーム博士”に吸い込まれている点である。
しかし、ここで青柳監督が賢明なのはこの映画の観客の解釈を誘導するナレーションを廃し、自ら愛してしまった博士の人生における一大攻防戦を極力説明的表現を避けテロップのみで表現しようとする点である。彼は博士に密着する権利とファイナルカット編集権を持つがこの一部始終を出来るだけ正直に観客に体感させようとする。森達也監督や想田和弘監督とは違い青柳監督が密着することにより、博士の直面する現実に影響を与える事はない。
結果として、この映画は日本における選挙活動というモノの実態と博士という一芸人が選挙活動をした時の顛末と当選後に鬱病に博士がかかった時の周囲の様子などをつぶさに観る事が出来る。
従ってこの映画は愛を持って描かれている訳だが同時に観客に対する監督の誠実さの様なものも感じる事が出来る稀有な作品になったと言えるのではないだろうか。
ドキュメンタリー映画には間違いなく取材対象者と監督の人間そのものが現れる。もっと言えば度々本編の中にもご本人の名前が度々聞かれる博士がひたすら私淑する師匠のビートたけしさんと博士との関係性をも鮮明に反映されていると思う。
ご覧になればおわかりになる通り、この映画は1998年のあのビートたけしさんのバイク事故の後に製作された北野武監督の或る若者達の青春の断片を見事に描いた傑作「キッズリターン」(1996)の様に主人公たちの狂乱と絶望の末に辿り着いわずかな光の様なものすら感じることが出来、このドキュメンタリー映画はそのオマージュと断言しても良いだろう。
私は今回の選挙活動における“チーム博士”の一員では無いが、選挙後のチームの面々のやり切った清々しい感じが伝わって来る。・・・そう映画などというモノは所詮すべて“人柄”なんだろうと思う。
吉川 圭三
(映像プロデューサー)
ハチャメチャに面白い映画だった!!
「選挙」という巨大な祭りの舞台裏。
「有権者」は全員必見! ガチで。
雨宮 処凛
(作家/反貧困活動家)
2022年夏、みんなの星座が繋がった。人の繋がりを星座に例える水道橋博士のドキュメンタリーはさらに多くの人たちを繋ぐだろう。これは決してれいわ新選組を応援するための物語ではない。博士だけでなく、青柳拓監督、立候補者、政治家、それぞれの生きざまを映す。そこにあなたは何をみるか。
私はこのメッセージを衆議院議員会館で書いている。あの夏、博士と共に戦った自分に恥じぬよう、みんなの想いを胸に今日も伏魔殿に挑む。
やはた 愛
(衆議院議員)
ここ20数年で最も傑出したドキュメンタリー映画だ。すべてのカットから溢れる才能を感じる。その計算とセンスに、圧倒的なカタルシスを禁じ得ない。これは水道橋博士やれいわ新選組の選挙に仮託した、あなたの映画であり、私の映画でもある。このような歴史的作品にいち部分でも出演出来て、これ以上の幸福はない。
古谷 経衡
(作家)
2万パーセントむき出しの人生がいきなり目の前に現れる。
あまりの熱に逃げ出す人もいれば、火がついて踊りだす人もいる。
それどころか、ガソリンをぶちまけながら走り回る人もいる。
これが“民主主義の鉄火場”、選挙の魅力であり魔力だ。
全身全霊! 粉骨砕身! 乾坤一擲!
わたしはあなただ! あなたはわたしだ!
青柳拓監督の初々しい視線は選挙の原点を思い出させてくれる。
人生をかけて真剣にふざけることは、命がけの仕事なのだ。
水道橋博士、おかえりなさい!
畠山 理仁
(フリーランスライター)
これぞ、ドキュメンタリーである。
還暦を迎えるお笑い芸人が、心機一転、真夏の選挙へ。
いくらでも台本を描けそうな題材だ。
けれども現実は、想像を超えた展開をたどる。
怒涛の選挙戦、緊迫の当確、国会議員の重圧、そして、鬱、休職、議員辞職…。
シナリオ通りには進まない。たやすく白黒つけられない。
それこそ、生きた政治なのだ。
時は流れ、カメラの前に帰ってきた博士は、何よりも聴衆を喜ばせることを優先する芸人魂を取り戻していた。
劇場型政治を超えた感動が、そこにある。
鮫島 浩
(政治ジャーナリスト)
鬱病再発の萌芽はあるのか、気になりながらの2時間。映画には「かっこわるい」政治家も登場するが、鬱病のため思い半ばで国会を去った水道橋博士が“生き恥を晒して生きる”姿は「かっこいい」に尽きる。人生には続きがあり、誰かの人生も続いていく。ラストシーン。「もう終わっちゃったかな、これで」と弱音を吐く博士に「何言ってんすか?まだ始まっちゃいないっすよ」と返す青柳監督。高笑いをする二人。すべての人への応援歌。
鈴木 エイト
(ジャーナリスト)
人生は正に、ロールプレイングゲームである!
何度でもリセットしてもいい。全ての装備や呪文を捨てて、新しくスタートしたっていい。
電源だけ切らなければ、いつでも新しい冒険に出て、仲間を探しに行ける。
さぁ!!! 今日も出掛けようぜ!
伊賀 大介
(スタイリスト)
現代の落語だと思った。近年ビートたけしが何度か演じた『人情八百屋』のような。妻や選挙クルー、山本太郎代表、そして青柳監督までもが、長屋の住人に見えてくる。それにしても、博士の真っ直ぐさだ。すべてを真に受ける。目の前の出来事に全力で応じる。この不器用さは、どんな深謀遠慮よりも私たちの心を打つ。
九龍ジョー
(編集者)
お笑い芸人や著述家では収まらないその個性が、どこに収まるのか?! という期待は、参院選立候補の件が耳に入って大きく納得。そう、政治家でしょ。頭の良さや実行力、男社会での処世術(重要)、そして、私たちの世代の文化系が自然と身につけているMeWeのリベラルを兼ね備えた逸材の病による挫折。その再生の物語はこの映画を公開し、再生を図る現在の博士の姿に他ならない。シェークスピアの主人公か?! アナタは。
湯山 玲子
(著述家/プロデューサー/おしゃべりカルチャーモンスター)
これは映画である。安心して見ていると鋭利な何かに胸が抉られる。それはドキュメンタリーのメンタリティという刃。そしてリアルを越えたリアリティーという刃。
剥き出しでさらけ出される主人公と周辺の人たちが辿るワインディングロードを見守るわたしたちも同じ轍を辿らされる。演出家は一見優しいタクト捌きですべてのものを感動の渦へと落とし込む。ああ、なんて映画だ!
竹内 義和
(作家)
選挙という躁と、その後の鬱。爆笑だらけの選挙戦から華麗なる当選! 「鬱の人は政治家なんてできない」そう言っていた水道橋博士はパラドックスに陥り議員辞職。この映画は、選挙の面白さを描いたものでも、鬱の恐怖を描いたものでもない。人生における波乱曲折を収めた人間ドラマだ。
Me,We 「ぼくはあなたです。あなたはぼくです」
人生を笑い飛ばせば良い!
川中 だいじ
(日本中学生新聞 記者)
タレントや芸人から「政治家」に転身するのは過去にいくつもの事例がある。しかし、そんな「お笑い芸人」水道橋博士を描いたドキュメンタリー『選挙と鬱』は、参院選当選の「天国」から鬱病を発症し参院議員辞職を決断した「地獄」まで、短期間で起こった人生模様を丹念に追った意味において独自の存在感を示している。そして、この間の「安倍晋三暗殺事件」に我々はあらためて息をのみ、作品に生々しい傷痕も残した。
白坂 和哉
(ジャーナリスト)
政治家からウーバー配達員まで。その身をさらして、体を張って、心を削って、なお大衆の欲望と希望に向き合う水道橋博士の姿勢に感銘を受けました。なるほど博士はその姿勢において芸人に違いない。そんな博士の、芸人的な、あまりにも芸人的な姿を、青柳拓監督のまっすぐな視線が見事に捉えています。
矢野 利裕
(批評/DJ)
2022年の参議院選挙で水道橋博士がこんなにも汗(;´∀`)して、くそ真面目に全力投球していたことを、私は知らなかった。真面目すぎちゃって、途中で「マムちゃんになれ」とアドバイスされワル乗りしてみたりもするけど、やっぱり真面目に取り組む。全編通して伝わる博士の誠実さと、絶対的に弱きに寄り添う優しさとか、その真摯な生き方にグッときて、涙が出た。こういう人にこそ政治家であってほしいのになぁ。それにしても、軽やかに選挙に遊びに来る三又又三さんがサイコーです。
和田 靜香
(ライター)
手作りで作り上げる選挙活動の熱さは大人の青春のようだった。思い描いた夢や希望を止めざるを得なくなっても、生き続けないといけないのが人生であることを知らされる。「鬱は自分のために生きられない」同じく鬱病を抱える私には身近な感覚だった。怒涛のひと夏を、鬱を抱えながら人のために動いた水道橋博士に、あなたならどんな声をかけますか?
和田 彩花
(アイドル)
中2で統合失調症を発症した僕が17歳で芸人になったときからの先輩、水道橋博士さんはうつ病を持っている。
博士さんの議員辞職の決断は尊重されるものですが、お互いやりたいようにやらせてもらいましょうよ!
サンチョ・パンサ引き連れた博士さんによる、スタンド・バイ・ミー!
精神疾患で苦しんでいる人は是非、回復した博士の生き生きとした姿を見てください。
元気が出ます。そして、みなさんも楽しんでください!
ハウス加賀谷
(芸人)
60才の男の挑戦は想像以上に熱く、とても切ない。これは、まさに『キッズ・リターン』の“新章”とも呼ぶべき作品。水道橋博士を追ったドキュメンタリーだが、青柳拓監督が全身全霊で寄り添ったことで見事なドラマになった。博士の師匠であるビートたけし、こと、北野武監督の遺伝子を監督は宿らせようとしたのではないか。その深い映画愛が、本作を包み込み、「オッサンの青春映画」という稀有なジャンルを生み出した。『カメラを止めるな!』『侍タイムスリッパー』に続く大化けの可能性を秘めた映画だと思う。
鶴田 法男
(映画監督/小説家)
選挙という、公が利するはずのシステムに則ってその俎上に立ち、闘い、当選するもその当人が極めて個人的な鬱という大嵐の前に屈するお話。こんなお話を観る事に何の意味、意義があるのか。幸福を謳いながら日々自死を選択する人の絶えぬ日本。だからこそこの映画は在るのだ。
川瀬 陽太
(俳優)
青柳さんの映画はいつも見る前すごく緊張します。ずっと面白いんだけど、できれば気づかずにいたい喫緊の問題について畳み掛けてくるので、観終わったあと自分がどうなってるかわからない…。
今回も!リアルな現状とその中に一筋信じたい美しさをスクリーンでみられ私は感無量です、いや感無量になってる暇はないのよ、と横っ面はたかれ、揺さぶられ、許され、ぐちゃぐちゃなりました。皆みてください!
西山 真来
(俳優)
青柳拓の次なるダンジョンはなんと選挙だった!。突き進むは未開の政界。労働も福祉も生活も政治も健全も病も、全てが地続きだ。
どんな眼差しをもっていたいか?どんな社会で生きたいか?等しい距離から彼は見つめている。そして何よりユーモアがある。それこそがこの世界を歩いてゆくための、ヒントのような気がした。
根矢 涼香
(俳優)
選挙とは、つくづく映画的だと思いました。そして、オヤジ世代の鬱は、他人ごとではない。僕もすれすれで、うつうつとした日々をやり過ごしている。躁に振り切り、自分を鼓舞するストレスは、尋常ではないと分かります。
青柳監督は、なりゆきで巻き込まれた風を装いながら、したたかに、博士の異常な事態をドキュメントしていく。その行きつく先が、このオチに至るとは、お見事!?。いやいや、軽率には言えないほど、痛ましくも慈愛に満ちたラストでした。
七里 圭
(映画監督)
高専のころ漫才を少し頑張った(寮祭で10回優勝した)。建築家目指して東京出て来ても何度か(お笑い)をやった。一番の憧れはタケシさんだったから軍団だって夢だった。父親が田舎で政治やってて選挙活動を良く手伝った、面白かった。歳も近いし共通点もあり、いつの間にか博士と自分を重ねて観てた。博士が泣いた時同時に涙が出た。Me,We、凄く大きな言葉だよなぁ、、なかなか出来ないけど心に掲げて生きていこうと思った。
岡 啓輔
(建築家)
近年、海外でも評価の高まるドキュメンタリー映画監督・青柳拓。しかしその実態は風呂なしアパートに住み、ウーバーで日銭を稼ぎ、奨学金という名の借金を抱える一生活者にすぎない。だから青柳監督が撮すのは、ことごとく市井の人々だ。水道橋博士もまた例外ではない。大きな波に翻弄されて生きるちっぽけな私たちを、青柳監督はカメラを通して映画に刻み込む。そこに人々が生きた証として。これは紛れもなく私の映画であり、私たちの映画である。
木村 奈緒
(ライター/美術学校スタッフ/『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』編集長)
自利利他の難しさに悩む全ての方にオススメ。売れない芸人歴34年の僕には絵空事を並べた選挙公約より、辛さを曝け出した生身の言葉が刺さる。見終わって強く感じたこと、
「弱さはイデオロギーを越える」
生きるヒントをありがとうございました。
コラアゲンはいごうまん
(体験ルポ芸人)
この映画は残酷で複雑でこれに関わった人達全員のこの先が気になる映画!主人公がどんどん選挙で自分を追い込み全てを背負っていく。主人公の奥様が芸として家庭として、そこに関わる鬱がどれだけ大変か!奥様の涙が物語る。観ていて痛い。鬱のリハビリ!知らない奴からの罵倒!それでも暗闇の中、笑い飛ばしながら自転車を颯爽と漕ぐ主人公。人生は、本人が笑い飛ばすから面白く観れるのだ!と気づかされる映画!塞翁が馬な映画!
お宮の松
(ビートたけしに言われて水道橋博士宅に住み込みをしていた弟弟子)
浅草キッドで漫才で天下をとり
漫才を取り組む姿勢は本当に凄く
とんでもない売れっ子が毎月新ネタを出す
ストイックでタフでセンスの塊
水道橋博士さん個人としても
ゴリゴリ肩が強く160キロから80キロまで
緩急自在な無限な引き出しを持つ怪物芸人
博士さんは今回は政治家という違うジャンルに
国を背負う仕事
たくさんの期待に応えるためネジをしめにしめてしまい
ネジが折れてぶっ飛んだんだと思います
ゆっくり休んでください
僕も鬱を経験した事がありますが
ご飯も食べれなく性欲も奪われ布団から出れなくなり
携帯電話で自殺の仕方、自殺サイトばかり1日中みるんです
博士さん、大変だったと思います
博士さんやラサール石井さんや三又又三さんのマイクなど
芸人は演説に強い
芸人を演説にたくさん使うべきと立証された映画でもあります
チャンス大城もモノマネたくさんやりますよ!!声掛けて下さい
チャンス大城
(芸人)
武器ゼロ、コネゼロ、経験値ゼロからの選挙クエスト。旅の果てに、かくも見事なエンディングが待ち受けているとは・・・。「選挙は執念」と良くいいますが、ドキュメンタリーも同じですね。青柳監督の粘り勝ち!
原カントくん
(下北沢・本屋B&B運営)
水道橋博士、水道橋博士でございます!選挙と鬱、選挙と鬱を、皆様、どうぞご覧くださいませ!。青柳、青柳拓監督でございます!選挙と鬱、選挙と鬱でございます!ぜひ劇場へ足をお運びください!。これだけで映画の魅力は伝わらない。映画も政治も人間も、中身が一番面白いのだから。
でか美ちゃん
(タレント)
水道橋博士はあらゆることにいたって真摯である。その真摯さが真摯であればある程ふざけているように感じられ、それが藝人のペーソスとなり選挙運動で躍動する。政治とは悲しい祭りであり、躁と鬱が織りなす人生ソノモノなのだ。三又又三氏の応援演説で爆笑。
角田 陽一郎
(バラエティプロデューサー)
「選挙と鬱」は視点人物が奇想天外な主人公へと向ける奇異のまなざしと、エネルギッシュさへの畏怖と、めいっぱいの敬意をこめて撮られた作品だ。ちょうど「シャーロック・ホームズの冒険」みたいに。こっちのワトスンは鬱へと向かうホームズを悲劇的に見せようとかそういうことはせず、人が人並みにのたうちまわった全ての風景を素直に記録している。終盤、公園の街灯の袂から響くホルンの音色の健やかさたるや!
黒川 晝車
(ラジオパーソナリティ(「ゆる民俗学ラジオ」ほか))
試写会後に僕はXで「この映画の一番の強みであり一番の弱みは青柳監督の優しさなのだと思います。」と書いた。今もその思いは変わらない。ただ、僕はこの映画を多くの人に観て欲しいと強く思っている。水道橋博士が闘ったもの、抗ったものは、同時に僕らが闘うべきもの、抗うべきものであるし、そしてこの映画にはその全部が映っているのだから。
今田 哲史
(ドキュメンタリー監督)
知られざる選挙の裏側を知る貴重な記録であるとともに、水道橋博士という一人の人間を通して社会と個人の関係を問いかける本作。その姿を追う青柳拓監督自身もまた、迷い、戸惑いながらカメラを向け続けた。揺れる心をそのまま受け入れた博士と、監督の誠実なまなざしが、この記録に深い愛を宿す。
手塚 悟
(映画監督)
なんとも画数の多いお堅いタイトルに構えて見始めると、あれ?なんかこれ構えなくていいやつ?と、すぐに緊張が解けワクワクに変わる。さすが誰も置いていかない青柳ワールド。
政治家、選挙、どれもなんとなく敬遠しがちな話題だが、この映画を観ていると自分もその一員になったかのような気分になる。熱い夏!そして鬱もまた、誰もが隣り合っている病なのだとハッとする。青柳拓は、また新たな傑作人生映画を産んだようだ。
近藤 笑菜
(俳優)
大奮闘の末、被写体は当選したものの、鬱の再発で引退せざるをえなかった。かなりドラマチックな展開ではあるが、ややもすれば、観る側が鬱陶しい気持ちになってしまう話でもある。だが、誰でも起こりうる人生の起伏を監督は終始軽快なリズムによって追跡してくれた。おそらく被写体自身も想像できない、両極端となる人生の場面を巧みに融合できた快作の誕生だ。いまやすでに監督のマークとも言える国会議事堂を写したショットや、自転車でUber配達を行う終盤など、なんとも微笑ましくて絶妙であろう。
晏妮
(日本映画大学特任教授 映画学・映画評論)
憲政の父・尾崎行雄が川柳を引用した政権批判演説で不敬罪とされ拘束、起訴された1942年の翼賛選挙から80年。本作は、スラップ訴訟対策を訴える水道橋博士が持前の批判精神と首相の物まね等の諧謔で選挙に挑み見事に当選、鬱発症、議員辞職とその後までを映す。選挙中に起きた安倍元首相襲撃事件の候補者への影響も含め、日本社会の言論弾圧の兆し、議員へのメンタルヘルスケアの課題を私達主権者に問う本作は、日本政治史上の貴重なドキュメンタリーと言える。
最後に私が好きな尾崎の言葉をご紹介します。
「川上を濁しておいて、下流の清きを期することはできない。川上の選挙がにごれば、川下の政治がにごるのも当たり前である。腐った水にぼうふらがわくように、腐った選挙から自堕落政治のぼうふらがわく。日本民主化の大建築は、正しい選挙の土壌の上にでなければたてることはできない。」(1947年民主政治読本、P.93 まずは選挙の粛正から)
太田 敦之
(学堂会 代表)
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